卵の向こうに緑の津軽平野が見えてくる

「東北の休耕田を緑の田んぼに」をスローガンに、国内自給力の向上を目指して2009年にスタートした「こめ育ち卵事業」。当初は鶏のエサの輸入トウモロコシ(エサ全体の60%)を飼料米に置き換えることを目指していましたが、2年半が経過した今、生産者との協議の中でトウモロコシ以外の40%を占める「その他飼料」の輸入穀物も国産飼料に置き換えられる可能性が見えてきました。そのため現状からさらにもう一歩進めて「国産飼料100%をめざす」という方向性について組合員討議を開始します。

*「こめ育ち卵事業」は卵の生産者(トキワ養鶏)と飼料用米生産者と卵を食べる私たち(生活クラブ岩手・青森・山形)の共同開発事業です。  

 

~卵集会を開催しました~ 

 

4~6月の一斉班会議を前に、3月27日(火)盛岡・アイーナにて卵集会を開催しました。卵の生産者・トキワ養鶏の石澤組合長と唐牛さん、飼料用米生産者・五所川原水田フル活用推進協議会の渡邊さん、そして十和田育成センターの石澤さんから生産現場のお話を伺い、その後分散会にて参加組合員は班討議に向けた質疑応答や意見交換をしました。以下は参加者からの報告です。 

◎「国産飼料100%をめざそうという対象はトウモロコシ以外の他の40%の飼料についても国産飼料穀物はその地域の主食が基本・石澤組合長に変えていこうということなのか?」という質問があり、ここの部分で人によって認識の違いがあることが発覚し、あらためて国産飼料100%の意味を確認しあえました。そして青森あるいは北東北だからこそ休耕田の農地保全としての飼料用米つくりが最適であり、国内自給100%の飼料用米によってそれを追求できる可能性があることが語られたことから、飼料用米給餌率をあげた場合の鶏の生態への影響やストレスについての質問が相次ぎました。鶏にとっては籾米をたべることで砂肝が大きくなる(消化器官が発達する)=健康な鶏本来の姿になる、またストレスが解消されるというお話を聞き・・・皆に安堵の表情。しかし、黄身の色へのこだわりや価格上昇への不安など様々な質問意見がでました。黄身はどういう飼料を与えていくかによりますし、価格については補助金の問題、生産コストの組み立ての問題など鶏の前なら緊張しません。トキワ養鶏・唐牛さんこれから生産者とともに充分な協議をかさねて解決していく必要があるということを確認できました。

 トウモロコシが畜産飼料に多くふくまれているのはアメリカの余剰事情からとのこと、価格のことも、NON-GM作物のことも主導権はみな海外です。海外からの輸入に依存した今の日本の生活がいかに不安定なものか・・。今後は世界的な食糧の争奪戦になるといわれていますがそれを自分の問題として捉えている人はあまりいません。昨年の震災で実感したことは自分の食料は自分で確保しなければ・・・ということです。まずは私たちが卵でそれを実践しましょう。最初に国産飼料100%の卵ありきではありません。そういう卵を食べたいと私たちが生産依頼し、生産者がつくってくれるのです。私たち消費者とトキワ養鶏と飼料用米生産者の三者がそれぞれに責任をはたしながらすすめていく事業です。この点を班会ではきちんと確認していきたいとおもいます。

 今回の分散会では卵のコレステロースのことも大きな関心をもって語られました。特にもりあがったのが、盛岡南の太田さんからの「昨年卵を週に2~3個食べていた時はコレステロール値が高かったが、毎日たべるようになってから今年コレステロールの数値が下がった」という報告。毎日2個たべても大丈夫。卵は栄養的にバランスのとれた完璧な食べ物です。トキワの石澤会長も「自分の説を身をもって証明してくれた」ととても喜んでいました。飼料のことから卵自体の生理のことまで様々なことを語り合えた有意義な会でした。                                                               (菊地美由紀)

◎もし食料や飼料の輸入が止まったら、止まらなくても輸入可能な量が減ってきたら日本の食料事情はどうなるのでしょうか。そういう不安はかなり現実味があります。トキワ養鶏の鶏たちは、昨年の震災の時、八戸港から入って来る飼料が止まっていた間、飼料用米を食べて命をつないだそうです。すぐそこにあり、しかも素性の分かる飼料用米。国産飼料へ向かう方向は明確だと思いました。

 しかし組合員には、黄身の色が白っぽくなることへの抵抗感や価格がどれだけ上がるかは問題です。どこまでなら食べ続けて行けるのか、充分な話合いが必要です。そこに卵があるから食べようではなく、生産者が頑張っているから食べるのではなく、食べて行くのは私たちで、こういう卵を食べたいので作って欲しいと生産依頼する、依頼した分をきちんと利用していくことが事業だと思いました。

飼料用米生産者・渡邊さん

 

飼料用米生産者の方が、今はまだら状に点在する田んぼをオセロの駒をひっくり返すようにして一面飼料用米の田んぼにして行きたいと熱く語っていました。わたしたちも、色々な質問や意見が出てくる活発な卵班討議を繰り広げられればと思います。その際に提案があります。卵を手の中で30分ほど温めてから温かいご飯にかけて頂くと絶品だそうです。班討議中に実践してみてはいかがでしょうか。           (斎藤ちひろ) 

 

 ◎常識を覆す大チャレンジ! ~豊かな想像力で豊かな食卓に~

 「震災時の飼料不足のときに、急場しのぎと手元にある籾米自信を持って組合員に語る石澤さん(左)をヒナに与えたが、1羽も死ぬこともなく、健康に育った。」「怪我の功名」というか、思わぬ事態に意外な発見、壮大なチャレンジを見出した瞬間。トキワ養鶏十和田育成センターの石澤さんの話に聞き入り、私の頭の中は回り始めました。広大な五所川原のたんぼを想像し、「はりま」の取組みで学んだ国産鶏種を作り出す過程を思い出し、世界のGM作物事情を再確認し、改めて自分はどういうものを食べ続けたいかを再認識しました。実現にむけて多くの課題はありますが、おおぜいの思いを共有して、価値ある卵を作っていきましょう。

ん~「こめ育ち卵」…。もう少し背景が見えるネーミングにしたいね~。「ザ・五所川原」とか!!??

                     (四戸美恵)

◎「卵」・・黄身の色が黄色いのが当たり前で、その色が濃いほど高価で栄養価の高い卵である。2年前に入協するまで私の中ではこれが常識でした。そんな私も「卵」について少しずつ勉強しそして興味を持ち、今回生産者の声を直に聞くことができるということで参加してきました。。各生産者より自らを取り巻く環境や飼料米で育てた鶏についての説明があり、文面ではわからない苦労・努力が痛いほど伝わってきました。また飼料米で鶏を育てることについて、とうもろこし給餌の鶏より産卵率・産卵個数・生存率が上昇し、この結果から飼料米によって鶏は健康になるということが証明されたという報告があり、しかも鶏は米を選んで食べているという話には驚きでした。

食糧危機がもうじき訪れるという現実、その中でも危機感を一切持たず食料・飼料を海外から輸入し続ける日本。この問題に対してきちんと向き合い、意見・考えを出し合う生産者と組合員。私たちと各生産者が目指している国産飼料100%に向ける姿勢は決して間違っていない!!私はそう確信しました。国産飼料100%に向けて問題(黄身の色・価格など)はまだまだ多くありますが、今私たちが1番考えなくてはいけないのは、食べる口を増やすこと、つまり組合員拡大です。今だ「ついで」にトラックの片隅に載っている岩手向けの鶏卵。まずはこの量を岩手のためだけにトラックを出す量にしなくては。

「卵のことなら任せといて!」

 

私は今回の卵集会を通じ自分に何ができるか?と真面目に考えました。まず一組合員として私を含め家族全員で卵を食べる量を増やす。そして家族だけでなく近所にもトキワの卵の良さ伝え広げる。「実はトキワの卵を毎日食べてコレステロールが下がった組合員がいるんですよ~」って。次に職員として今回学んだ事を配達先組合員に伝える。以上を絶対実践していくと決めました!!     

 (職員・及川俊)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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