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5月13日 「おとうふ揚げ」の包材を捨てる悔しさ!!

悔しいです。情けないです。無念です。気持が張り裂けそうです。

高橋徳治商店のヘドロ出し作業も終盤に近づき、ほぼ最後に残ったのが「資材置き場」です。欠員の中でだいず工房の豆腐製造に集中していたのですが、必ず石巻には行きたい、と願っていたのが5/13に実現しました。そこで、本当は見たくなかった「おとうふ揚げ」の新品包材です。海水にもまれ重油まみれのヘドロの中から見つけました。表面さえ洗えば使えそうなものですが、張り裂けそうになりながらも捨てました。悔しいです。

 だいず工房は生活クラブ岩手とJAいわて南が出資してつくった豆腐工場です。減反による転作大豆を豆腐に加工し地元をベースに消費しよう・・・。というのが設立の趣旨です。私も設立当初から関わってきましたが、経験があるわけでもなく、本当に試行錯誤のスタートでした。技術的にはプロからの指導を受け、その当時、東北では初めて「消泡材不使用」の豆腐を作る事に成功し、生活クラブの組合員が食べたい豆腐ができました。

 しかし経営的には厳しい状態が続き、にっちもさっちも行かない時に手を差し伸べてくれたのが「おとうふ揚げ」の製品企画でした。高橋徳治商店の高橋社長と連合会のおかげで、だいず工房のもめん豆腐を使った「おとうふ揚げ」が生活クラブの消費材としてデビューすることができました。高橋さんは元々地元の豆腐屋さんと提携をしていましたが、この「おとうふ揚げ」は生活クラブ向けの消費材。だから生活クラブ岩手への支援としてだいず工房の豆腐を使ってくれました。このおかげで経営的にも持ち直し、そして高橋徳治商店の厳しい衛生管理の指導も受け、豆腐製造のレベルも格段に向上する事ができました。そんな中での3.11でした。

 だいず工房がある一関市は岩手県の内陸部では強い揺れに襲われた地域です。工場の壁も数箇所崩れ落ち、浄化槽の地盤沈下とそれによる機械の破損などに見舞われました。停電と断水で1週間の休業も余儀なくされました。しかし、こんなのは直せば済みます。大きな津波に襲われた・・・、とラジオから流れる情報に、高橋徳治商店の皆さんの顔が浮かびました。高橋社長はもとより、衛生管理の直接的な指導に来てくれた奥さんの高橋常務、そして検査室の石坂聡子さん、いつも発注書を送ってくれる工場長、そして他の社員の皆さんの顔、顔、顔でした。3/17に無事が確認され、そしてその後従業員全員の無事が確認された時の嬉しさは忘れません。しかし、その後に襲ってきたのは高橋徳治商店からの受注がない事です。今までの大量な生産がゼロとなった事実です。

 生活クラブ岩手は強い決意をもって豆腐を増やす決定をし、すぐさま実行に移してくれています。JAも同じく決定しだいず工房を支えてくれる行動に移ってくれています。本当にありがたい事で、私たち従業員もこれに甘える事無く進んでいかなくてはと思っています。  

 しかし「おとうふ揚げ」の包材を自分の手で処分するのは辛いです。だけど、他の人が処分するぐらいなら、自分で処分できた事実を受け止めたいと思います。 

 ヘドロ出し作業が終わり、高橋社長と話した時に「復興第一弾はおとうふ揚げにするよ!!」という一言でした。もうこれ以上は言いません。その時まで踏ん張ります。

 ㈱だいず工房 工場長 佐伯静子

満潮で社屋に迫る海水泥に塗れたおとうふ揚げの包材

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