南三陸の近況を報告いたします。② 《株式会社 丸壽阿部商店 阿部寿一》
震災から3ヶ月が過ぎ、最近、死亡が確認された方の葬儀が行われるようになりました。私は家と共に喪服が流されてしまったので今回の震災を機会に新調しました。
今回の震災では行方不明者は3ヶ月で死亡認定されますが、行方不明の家族の方々は気持ちの整理がついていないため死亡届けを出していない方が多いようです。新聞報道では震災孤児が数百人と言われており親を失った子供や家族の支援が気になります。
そんな中で、生き残った者は前進あるのみで頑張っています。南三陸地区はお盆前には全員仮設住宅に入れるように急ピッチで仮設住宅工事を進めています。6月8日には上水道が通水しましたが、まだ飲料水としては使用できない状態です。私の会社では相変わらず隣の登米市の水道事業所から1日2回飲料水を運搬しています。水が無ければ仕事はできませんので、水の運搬はとても重要な業務の一部になっています。不自由な生活を3ヶ月以上も経験したので、今後の防災対策もあるので、方角や良い日取りを調べて、津波で浸水していない工場の隣の敷地に井戸を掘ることにしました。(写真)井戸水が待ちどうしいです。
そして固定電話とFAXはようやく本日(6/30)開通しました。電話工事の方は横浜から被災地の復旧の作業に応援にきていました。今回の震災では全国から様々な支援が寄せられ、復旧にあたって頂いています。先日は気仙沼に量は少ないですが鰹が水揚げされて活気づいてきました。浜の人は魚を食べないと元気が出ないので鰹を買ってきて食べさせたいと思います。
6月20日からは被災者支援で被災地の高速道路が被災者や車種限定で無料になりましたが、仙台と石巻を結ぶ三陸道や仙台から海沿いを南に走る東部道路の渋滞がますます酷くなったように思います。料金所はいつも大渋滞です。
今年も全国的に暑さが厳しいようです。特に都市部の暑さは尋常ではないと思います。皆様も体に気をつけて暑い夏を乗り切ってください。被災地も一歩一歩前に進み、暑い夏を乗り切っていきます。