おとうふ揚げの本格製造に向け
副理事長 豊川京子
味が決まらない迷い!!
「んんん!!! 何か違う感じがする」 10/1の火入れ式を終えた後の10/3の渡辺工場長のうなり。
レシピもPCデータも全て流され、詳細な規格は連合会から受け取る高橋徳治商店。しかも検査用サンプルも全て腐敗してしまい、本当に全てが無くなってしまった。だから過去の記憶(?)を呼び戻しての味見は「んんん!!!・・・」の迷い。無理もありません。しかし、色々と試してほぼ完成に近づいたと連絡がありました。
震災前の「おとうふ揚げ」を探し
「何か違う!!」の言葉を聴き、誰か震災前のおとうふ揚げを保管していないか探しました。既に7ヶ月にもなるので大きな期待をしないで待っていると、あちこちから連絡が入りました。「おとうふ揚げはないけどエビしんじょ・おでん種ならあります・・・」「私は曲がりネギちりめん揚げ持っています・・・」などなど。そして遂に2人から「おとうふ揚げを持っている」との連絡が入りました。みんな震災で大きな被害を受けた高徳の製品を今まで食べられなかった人たちです。
かすかな記憶を辿っている工場長。冷凍焼けも承知して前のおとうふ揚げを食べたら、彼の背中を押してあげられるのでは・・・。という気持で10/10におとうふ揚げ2袋 を持って高徳の石巻へ。
口に入れて確信!!
製造日は2011.1の製品を解凍。昨日試作したおとうふ揚げも解凍しこの両方を試食。渡辺工場長が発した言葉は「100%に仕上がった!!」と。
震災前の製品は冷凍焼けと水分が抜かれている事を考慮して試食。これらを差し引いて味は以前の製品と同じだと確信した模様です。ほぼ、完成に近づいたという気持が、震災前の製品を口にしたことで、これが確信に変わった瞬間でした。
まだまだ機械の調整など、本格製造に入れないあせりも見られましたが、最終的には職人の長年の勘と経験で 解決していくと思います。添加物を使わず、素材の持つ良さを100%活かしきるための手間と工夫って大変なものだと改めて実感しました。一日も早く本格製造ができるよう願うのみです。
今、私たちにできることは拡大と利用結集です。
ひとり一人が小さな行動を起こしましょう。
高徳事務所入り口には「さようなら原発」1000万人署名用紙が置いてありました。
その先頭には「高橋英雄」の名前が・・・
消費担当理事 菊地美由紀
昨日、豊川さん・大木さんと一緒に高徳に行ってきました。
私は最後のヘドロ出しから約3ヶ月ぶりの石巻です。石巻の市街地のほうは連休もあって車も多く、修繕したり、新装したりのお店には人が集まっていました。通常の街にもどっているような気さえしました。
橋をわたって高徳周辺は、あふれていた瓦礫はほとんどとりさられていました。陸にうちあげられたままの漁船やひっくりかえったタンクなど手つかずのものや、まだまだ損壊したままの家屋は沢山ありますが、それでも3ヶ月まえにくらべたらみちがえるほど片付いていました。 (まだまだ痛ましい景色であることにかわりはありませんが・・・)高徳、あのヘドロにあふれた惨状から・よくここまできれいになって・・・・と感激です。
ヘドロ出しの最中はこの作業の先がいったいどこにつながるのか?正直先が見えない状態でただ黙々と作業していたような気がします。でもあの作業は無駄ではなかった。機械洗浄もみんなのカンパも・・・ここにちゃんとかたちとしてつながったんだな。47週の「おとうふ揚げ」として・・むくわれたんだなと感激です。
震災前のおとうふ揚げと食べ比べしました。高徳では何度も何度も試作をくりかえしてのほぼ100%のおとうふ揚げ です。
自然解凍して試食したものはすり身の味もしっかりしていて、私には震災前のおとうふ揚げとほとんどかわりないように感じました。・・・が、渡辺工場長は職人の感覚で微妙な違いにこだわりがあるようです。(わたしは全然OKなんですけどね) でも生産者としては120%のものを自信もって出したいという気持ちはわかります。特に震災後の再開で、「前のほうが・・・」なんて絶対言われたくないに決まっています。高徳の納得したものを出してもらいましょう。
そして・・・私たちはその気持ちに応えるべく利用結集です。気持ちにこたえるというより責任です。ヘドロ出しして、機械を洗浄し、再開を願って、めざして、みんなで支援してきたのですから・・・。このおとうふ上げは私たちのおとうふ揚げです。
だいず工房のみなさんもフル活動(これからさらに過酷な労働)でがんばって製造してくれています。利用結集みんなにつたえましょう。知らなかったなんて組合員がいないように声にだしていきましょう。
47週分は提出日がすぐそこ。あと1ヶ月ありません。支部で地区で班で利用結集よびかけましょう。