生カキの取り組み再開~丸寿阿部商店~
津波で壊滅的被害を受けた南三陸町へ3ヵ月ぶりに行ってきました。
町は住宅の土台だけが残る荒涼とした風景でしたが、南三陸の海はとても穏やかな表情を見せていました。
丸寿阿部商店は広島産のカキの加工とわかめのパック詰めの仕事でなんとか稼働中。今日はパートの方を含めて9人ほどで作業をしていました。フル稼働にはほど遠く、ほぼ午前中だけの仕事。被災した従業員の心の傷は深く、そのケアを含めて「1年ぐらいはウォーミングアップ状態ですね」とのこと。それでもなんとか年は越せそうだと専務は明るく話してくれましたが、ご本人いわく「スーパーポジティブシンキングだから」ということなので、本当のところはお先真っ暗状態だと思います。「生活クラブへのカキの供給が始まり本当に助かった」とおっしゃっていましたが、思ったほどの結集量ではないようです。
今日初めて工場の中を見せてもらいました。カキのパック詰めは完全に機械作業で、納入先により荷姿が違うので、生活クラブ向けに専用の機械が置いてありました。現在は原料カキの入手が難しいのですが、今後三陸産のカキが復活した時にはこの機械がフル稼働するように利用結集をすすめたいものです。
その後、工場の下の海(プライベートビーチ!)を見せてもらいました。三陸海岸そのものの景観。底まで見える透き通った海の水。この海水をポンプでくみ上げて浄化し、パックの中に入れています。本当にきれいな海の水でした。検査の結果、セシウムも検出されなかったとのことです。
(佐藤直子)
~私も行ってきました~ 萩原朋子(北上準備支部委員長)
震災の爪跡がまだ生々しい南三陸の町を抜けて、岬の見晴らしのよい小高い丘の上に丸寿阿部商店はありました。私はもっと牡蛎小屋みたいなところでおばちゃんたちが牡蠣のカラむきをしているところを想像していたので、あまりの近代的な工場でビックリしました。ほとんどの工程がオートメーションで、異物を見るところと、箱に氷を入れるところが人の手を使っていました。丸寿阿部商店は原料のむいた牡蠣の身を専用の機械で洗ってパック詰めして出荷している生産者だとわかりました。
生活クラブ専用の機械は動かしてもすぐに作業が終わってしまうそうで、動いていない機械を見せてもらいました。去年と同じくらいの供給高で、震災後のウォーミングアップに丁度いいと言うことなので、「いつもの利用では本気で操業するには足りないんだ。」とも分かりました。次年度は心して利用しなきゃと思って帰って来ました。
丸寿さんから見た南三陸の海はとても水がきれいで、波が穏やかで、この海で採れた牡蠣を早く食べたいと思いました。