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順調に進むわかめの収穫

わかめのボイル作業

 4月2日、朝7時半。音部港に近づくとわかめをボイルする湯気が見えてきます。例年より遅れてスタートしたわかめの収穫は、今が最盛期です。漁協は収穫時に間に合うよう、施設の復旧に全力を注いできました。心配されていた加工施設(ボイル~冷却~塩蔵)も完成にこぎつけ、順調に稼働していました。組合員は、二人一組でサッパ船とボイル用の釜を使い作業を行います。浜で冷却までの作業を、その後自宅で塩蔵の作業を行います。最終段階の塩蔵まで出来ない組合員は、収穫後そのまま、あるいはボイル後、完成したばかりの漁協の加工場に持ち込み作業を漁協に委託するということです。

わかめの加工センター。 わかめの塩ふるいの様子

 浜ではボイル用釜と冷却用の水槽のセットが20ぐらい並んでいます。港の修復が出来ていないので屋根がなく、冷たい風をまともに受けての作業です。作業をしている様子から、働き盛りのお父さんがサッパ船で収穫に出かけ、それをおじいちゃんと孫が浜でボイル作業を行っているのが一般的のように見受けられました。春休みなので、手伝いをしている中・高校生の姿も結構ありました。皆黙々と作業を行っていましたが、収穫する喜びはヒシヒシと伝わってきました。しかし、津波で港と船や漁具を、そして港の近くにあった人家が跡形もなく無残に海に持って行かれたその場所で、再び作業を行うその心情を思うと辛くもありました。

 その後、昨年の夏にわかめのパック詰めを行った加工センターに向かいました。車から降りるなり、空気が一変していることに気づきました。30人ぐらいが作業を行っていましたが、圧倒されそうなおばちゃん達(もちろん若い方もおります)の活気!。塩ふるいといって、センターに持ち込まれた塩蔵わかめをバサバサとふるって余分な塩を落とし、それをケースに詰め込む作業を行っていました。威勢がよくとびっきりの笑顔で作業しています。去年のおばちゃん達の様子とは全く違っていました。こちらまでうれしくなってしまいました。

完成したわかめの加工施設音部港。湯気はボイル作業のもの

 連日、地元のニュースはわかめが高値で取引されていると報じています。例年の2倍まで価格は跳ね上がっているとのことです。高坂参事の話しでは、今年は品質も大変良いとのことです。例年の50%の収穫は確保できており、今後どれだけ上乗せできるか期待していると話していました。そして、例年のようにはいかなくとも「重茂味まつり」も開催したいと言っていました。

 重茂の復旧・復興は途上です。しかし、気持ちは震災以前の重茂に戻していこうとしていることを強く感じました。被災地、被災者としての言葉も聞かれませんでしたし、その気持ちは最早ないと感じました。高坂参事の「今までどおりやるべきことをやる」と前向きな姿勢が印象的でした。

報告 熊谷由紀子 

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