「希望の船」第二与奈丸・船おろし式
5月17日、重茂漁協では待ちに待った定置網漁の漁船「第二与奈丸」が完成し、この日お披露目されました。これは、重茂漁協の早期の復興を願って全国の生活クラブの組合員のカンパで3隻分の漁船を贈る事になったうちの最初の1隻です。
このお祝いの日に生活クラブ岩手の組合員と連合会や他単協から合わせて60名が参加しました。宮古港からたくさんの大漁旗を掲げた「第二与奈丸」に乗船させてもらい、重茂港に向けて出航しました。湾を出ると、一隻の船が待っていました。これは「嫁むかえ」といって新造船の船を重茂港まで先導していくのだそうです。嫁むかえに出てくれたのは「第一根滝丸」でした。この船は昨年の震災で陸に打ち上げられていたものを救出・修理し、定置網漁に復活した船です。第一根滝丸に導かれて重茂港に向かう事はとても意味のある事に思えました。
船の上から黒崎神社と漁場に海の安全と大漁を願ってお神酒を奉げお参りし、おおぜいの重茂の皆さんが見守る中、重茂港に入港しました。皆さんが昔からの知り合いのように親しく声をかけてくれて、どの方の顔も喜びにあふれていました。
セレモニーでは、重茂漁協の伊藤組合長が「第二与奈丸が復興の力になる」と挨拶され、来賓として生活クラブ連合会の加藤会長が、さらに重茂との提携を深めていく決意を宣言しました。恒例のくす玉わりとわかめまき(餅まき)が行われ、大いに盛り上がりました。
第二与奈丸はこの秋から操業を始め、あと2隻は11月と来年3月に完成の予定です。20隻あった定置網漁の漁船は、昨年の3.11大震災で全てが流失し、漂流しているもの・陸に打ち上げられていたもの10隻を救出・修理してようやく定置網漁を再開しました。ここに新たに3隻の船が加わり、重茂の復興をさらに進めてくれる事を願うばかりです。わたしたちも重茂で生産されるものをきちんと利用し続け、交流を図りながら復興の後押しを少しでも手伝っていきたいと感じた船おろし式でした。
(副理事長:工藤朋子)