「第五根滝丸」のお披露目
東日本大震災から2年2ヶ月目の5月11日、重茂で第五根滝丸の船おろしが行われました。35万人の組合員が被災した生産者の復興を願い行ったカンパで重茂に3艘の船を贈ることにしましたが、その3艘目の船が第五根滝丸です。先に完成した第二、第八与奈丸は定置網を引き上げるための船ですが、今度の船は定置で使う網を運ぶためのものです。操舵室もなく平らな甲板に舵が付いているだけの地味なつくりですが、縁の下の力持ちといった役どころで定置網漁には欠くことのできない大切な船です。午前10時、その第五根滝丸が第二、第八与奈丸に導かれ重茂港に入ってきました。霧雨が降り続く中、地域の方や漁協の皆さんと一緒に岩手の組合員18名が、大漁旗で飾った新造船を迎えました。
式典では、伊藤組合長が「これで船はそろったので、あとは海に魚がいっぱい来て大漁になることを祈るばかりです」と挨拶しました。また、生活クラブ連合会・加藤会長は「3艘目の船が完成し一連の支援は終了しました。今後は更なる提携関係を強化していきたいものです」と話していました。来賓の挨拶の後、くす玉が割られ、恒例のわかめ撒きが行われました。参加者の袋は、わかめの他に紅白のもちやお菓子であふれんばかりになっていました。
終わりに第五根滝丸に乗船し湾内を一周しました。一緒に乗り込んだ船員の方の顔は、このところ定置網漁が好調だということで晴れやかでした。そして、船が完成し安心して海に出られることを素直に喜んでいました。2年前の6月、宮古管内でいち早く定置網を再開した重茂漁協。漁協にとって定置網漁は大きな収入源です。そのことが復興のスピードを速めたことは間違いありません。以前に伊藤組合長が「漁師は船がなければ海に出られない」と話していたことを思い出します。私たちは、漁師にとって何よりも必要な船を贈ることができました。船を贈って本当に良かったと思います。35万人の組合員の思いを乗せた三艘の船が、重茂の青い海でいつまでも活躍することを願わずにはいられません。
理事 熊谷由紀子
船おろし終了後、フォーラムの森へ寄りました。雑草に負けじと植樹した木々が元気に育っていました。この春は桜の木が花をつけたようです。ほんのわずかですが、桜の花が散らずに残っていました。
フォーラムの森:「2010・シャボン玉フォーラムin重茂」の開催を記念し、水環境を守り美しい海を未来の子どもたちへつなげていくために植樹を行いました。四季を通じて花、葉、実を楽しめるものを選定し、1.4haに1500本の苗を植えました。