(株)高橋徳治商店 新社屋落成記念に出席して
7月5日、東松島市矢本工業団地に完成した高橋徳治商店の新工場に行ってきました。三陸自動車道の矢本ICから車で5分にある高台の団地内には、他にも味噌工場や加工肉の工場、清酒工場、津波で家を失った方々が住む仮設住宅(600世帯)ができていました。
敷地内に入り、目に入ってきたのは「THE BEST FROM THE SEA」の文字でした。津波被害を受けた本社の壁にも書かれていたことを思い出しました。新工場は平屋建てで、大きな窓が多く開放感があります。また、工場内の廊下からは、ガラス越しに機械や従業員の様子がわかるような作りでした。帽子とスリッパカバーを身に着け、工場内に入ることができました。そこには、重油混じりのヘドロにまみれて水沢センターに運ばれてきてた、あの機械たちがピカピカになって並んでいました。29台、外から何かにぶつかって変形した機械も、バラバラにして細部に入り込んだヘドロを粒状せっけんとタワシで真手ぃに磨き上げたことが遠い昔のことのようです。ほぼ全てが新工場で使われているということに、ヘドロにまみれて作業してくれた仲間の顔や光景が浮かびました。
松島のホテルで行われた式典には、北海道から九州、台湾まで取引先の生協や復興に関わった関係者などが駈け付けました。来賓のスピーチやVTRをみて、涙を流している参加者もチラホラ。自分の事のように捉え、共に復興の道を歩んできたから仲間なのでしょう。新社屋の完成はスタート地点。被災をリセットすることはできないけど、一緒に前に進んでいく。「おめでとう」ではなく、これからも厳しい情勢に生産者と消費者が共に立ち向かっていこうという締結の会のように感じました。
岩手の組合員ができること。それは、材を食べていくことしかありません。これからも無添加の美味しい練り物を、みんなで食べていきましょう。
理事 松原亜貴子